
Advanced Custom Fields(ACF®)を日常的に活用されている中で脆弱性が発見された時、複数のサイトを抱えながら、どの程度深刻で、どう優先順位をつけて対応すべきか、そして顧客や社内への説明をどうするかというのはなかなか悩ましい課題です。
本記事では、ACF 脆弱性への対応ノウハウを共有します。技術的詳細から緊急度判定、段階的な対策手順、そして「どう説明したら理解してもらえるか」まで、制作現場の視点で実践的にお伝えします。
この記事を参考に、効率的な脆弱性対応を進め、関係者との信頼関係を保ちながら適切な技術対応を実現していただければと思います。
目次
Advanced Custom Fields の脆弱性と深刻度
Advanced Custom Fields は、WordPress サイトの管理画面にカスタムフィールドを簡単に追加・管理できるプラグインです。無料版(ACF)と有料版(ACF Pro)が提供されており、それぞれ異なる機能と脆弱性リスクを持っています。多くのユーザーに利用されていることもあり、ターゲットとして狙われ易い傾向があります。WordPress サイトの安全性を保つために、脆弱性情報の継続的な監視と迅速な対応が不可欠です。
ACF の脆弱性にはどの程度のリスクがあるのでしょうか。脆弱性の種類や深刻度を正確に把握することで、対応の優先順位や必要なリソースを適切に判断できます。
ここでは、これまでに発見された ACF の主要な脆弱性について、特に最近発見された CVE-2024-45429(Pro版のみ)と CVE-2024-49593(無料版・Pro版共通)を中心に、どのような攻撃が可能で、どの程度の被害が想定されるかを解説します。
これまでに発見された脆弱性の種類と評価
ACF の脆弱性を正しく理解するために、過去に発見された主要な脆弱性について時系列で整理し、それぞれの深刻度と影響範囲を把握しておく必要があります。2023年以降だけでも複数の重要な脆弱性が発見されており、その多くがクロスサイトスクリプティング(XSS)関連の問題です。
これらの脆弱性情報を体系的に把握することで、適切なリスク評価と対応優先度の判断が可能になります。また、顧客等への説明時にも、具体的な CVSS スコアや影響範囲を示すことで、技術的根拠に基づいた説得力のある提案ができます。
ACF プラグインの既知の脆弱性(2023年以降)
CVE ID (利用可能な場合) | 脆弱性の種類 | 概要 | 影響を受けるバージョン | CVSSスコア/深刻度 | 公開日 |
CVE-2024-49593 | 保存型XSS | 管理者レベルの認証済み保存型XSS。ACFフィールドラベルの不十分なサニタイズ。マルチサイト環境等に影響。 | ACF/Pro <= 6.3.8, SCF <= 6.3.6.2 | 3.5 (低) / 5.3 (中) | 2024-10-15 |
CVE-2024-45429 | 認証済み保存型XSS | capability 設定権限を持つ攻撃者がフィールドラベルにスクリプトを挿入し、同じ権限のユーザーのブラウザで実行される。 | <= 6.3.5 | 5.5 (中) / 6.1 (中) | 2024-09-04 |
(なし) | Custom Field Access | Advanced Custom Fields < 6.3 – Contributor+ Custom Field Access | < 6.3 | 2.7 (低) | 2024-05-30 |
(なし) | Stored XSS | Advanced Custom Fields < 6.2.5 – Contributor+ Stored Cross-Site Scripting via Custom Field | < 6.2.5 | 6.4 (中) | 2024-01-17 |
CVE-2023-30777 | 反射型XSS | 未認証の反射型XSS。特権ユーザーを誘導し、機密情報窃取や権限昇格の可能性。 | Pro <= 6.1.5, Free <= 5.12.5 | 7.1 (高) | 2023-05-04 |
CVE-2023-1196 | PHPオブジェクトインジェクション | 認証済み(貢献者以上)のPHPオブジェクトインジェクション。他のプラグイン/テーマにPOPチェーンがあればRCEの可能性。 | <= 5.12.4, 6.0.0-6.0.7 | 8.8 (高) | 2023-04-10 |
これらの脆弱性リストを見ると、ACF は継続的にセキュリティ問題が発見されているプラグインであることが分かります。しかし重要なのは、発見された脆弱性に対して開発チームが迅速に対応し、修正版をリリースしていることです。この脆弱性パターンを理解し、定期的なアップデートと監視体制の重要性を顧客に伝えることが重要です。
SQL インジェクション・XSS 攻撃の具体的手法
2024年9月、Advanced Custom Fields 6.3.5 およびそれ以前のバージョン(Pro含む)において、重要な脆弱性が発見されました。
主要な脆弱性情報
- CVE-2024-45429:クロスサイトスクリプティング(XSS)脆弱性
- CVSS v3 スコア:5.4(警告レベル)
- 対象バージョン:ACF 6.3.5 以前 / ACF Pro 6.3.5 以前
- 修正バージョン:ACF 6.3.6 以降 /ACF Pro 6.3.6 以降
この脆弱性は、管理画面にアクセス権限を持つ攻撃者が、ACF のカスタムフィールドの名前部分に悪意のある JavaScript コードを埋め込み、他の管理者がそのフィールドを表示した際に自動的に実行されてしまうというものです。一見普通のフィールド名に見えても、実際には危険なコードが仕込まれており、正当な管理者が知らないうちに被害を受ける可能性があります。
攻撃シナリオ
- 攻撃者が管理画面に侵入またはフィールド定義ファイルに悪意のあるコードを挿入
- WordPress の管理画面にアクセス権限を得る
- または、ACF のLocal JSON機能を使用したJSONファイルへの悪意のあるコード挿入
- または、ACF のPHP による フィールド登録機能を使用したPHPファイルへの悪意のあるコード挿入
- 悪意のあるコードを仕込む
ACF のカスタムフィールドの「ラベル」部分に、見た目は普通だが実際は危険な JavaScript コードを埋め込む - 他の管理者が被害を受ける
別の管理者がそのカスタムフィールドを編集画面で開いた瞬間、仕込まれたコードが自動実行される - 権限乗っ取りが発生
実行されたコードにより、セッション情報が盗まれたり、さらなる不正操作が可能になる
つまり、一度管理画面に侵入されると、他の正当な管理者も知らないうちに被害を受けてしまう「連鎖的な攻撃」が可能になってしまう脆弱性なのです。
この攻撃手法を理解することで、単なるパスワード強化だけでなく、管理画面全体のアクセス制御や監視体制の重要性を理解できると思います。
Web制作会社が直面する3つのリスク
Advanced Custom Fields の脆弱性は単なる技術的な問題ではありません。Web 制作会社にとって、この脆弱性への対応の遅れや不備は、深刻なビジネスリスクに直結します。顧客サイトのセキュリティインシデントが発生した場合、技術的な損害だけでなく、法的責任や経営への影響まで波及する可能性があります。
特に複数の顧客を抱える制作会社では、一つのサイトでの問題が他の顧客案件にも影響を与え、会社全体の信頼性を損なうリスクがあります。ここでは、制作会社が認識しておくべき3つの主要なリスクについて、具体的な事例と対策の観点から詳しく解説します。これらのリスクを正しく理解することで、適切な予防策と対応体制を構築できます。
1. 顧客の機密データ漏洩による損害賠償リスク
ACF の脆弱性が悪用された場合、顧客企業の機密情報や個人データが漏洩する可能性があります。東京商工リサーチの調査によると、2021年に上場企業で発生した個人情報漏洩事故は137件(漏洩した個人情報は574万人分)で、137件のうち「ウイルス感染・不正アクセス」が原因の49.6%にもなっています。
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1191102_1527.html
制作会社は、技術的な管理責任を負うため、セキュリティインシデントが発生した場合の損害賠償責任を問われる可能性があります。特に、既知の脆弱性への対応を怠った場合、過失責任が認定されるリスクが高まります。
2.サイト機能停止による事業影響と信頼失墜
脆弱性を悪用した攻撃により、顧客サイトが改ざんされたり、機能停止に陥ったりする可能性があります。2017年にあった WordPress REST API の脆弱性による攻撃で155万サイト以上が被害を受けたように、大規模な被害が発生することもあります。
EC サイトの場合、数時間の停止でも数百万円の売上損失につながる可能性があり、制作会社への信頼失墜は避けられません。
3.制作会社の法的責任範囲と契約上の義務
Web制作会社は 一般的に以下の責任を負います。
- 納品時における基本的なセキュリティ対策の実装
- 既知の脆弱性に関する情報提供義務
- 保守契約に基づく継続的なセキュリティ監視
契約書に明確な免責条項がない場合、セキュリティインシデントによる損害の一部について責任を問われる可能性があります。
Advanced Custom Fields 脆弱性対策の4段階実装手順
ここでは、緊急度の判定から最終的な検証まで、4つのステップに分けて対策手順を解説します。各ステップを順序立てて実行することで、リスクを最小限に抑えながら確実な脆弱性対策を実現できます。特に複数の顧客サイトを管理している制作会社にとって、この体系的なアプローチは作業効率と品質の両立に欠かせません。
ステップ①:緊急度判定と影響範囲の特定
脆弱性対応の第一歩は、「どのサイトから対応すべきか」を正確に判断することです。すべてのサイトを同時に対応するのは現実的ではないため、リスクレベルに応じた優先順位付けが重要になります。
まずは管理下にある全サイトの ACF 利用状況を棚卸しし、バージョン情報と併せてリスク評価を行います。特に EC サイトや会員情報を扱うサイト、アクセス数の多いコーポレートサイトなどは高優先度として分類する必要があります。この段階で適切な情報収集と分析を行うことで、効率的かつ効果的な脆弱性対応が可能になります。
即座に実行すべき調査項目
- バージョン確認:全顧客サイトの ACF バージョンを調査
- 利用状況の把握:どのサイトでどの程度 ACF を活用しているか
- 管理者権限の確認:各サイトの管理者アカウント数と権限レベル
- 緊急度の分類:売上への影響度と機密性に基づく優先順位付け
ステップ②:アップデート適用の正しい手順
緊急度の判定が完了したら、実際のアップデート作業に移ります。しかし、脆弱性対応だからといって急いでアップデートを実行するのは危険です。ACF は多くのサイトでコンテンツの根幹を担っているため、不適切な更新によりサイト全体が機能しなくなるリスクがあります。
特に本番環境での直接更新は避け、必ずステージング環境での事前検証を行うことが重要です。また、万が一の問題発生に備えた完全バックアップの取得と、カスタムフィールド設定の文書化も欠かせません。ここでは、顧客サイトの安全性を保ちながら確実にアップデートを完了させるための段階的な手順を解説します。
本番環境更新前の必須作業
- 完全バックアップの取得:データベースとファイル両方
- ステージング環境での動作確認
- カスタムフィールド設定の文書化
- 関連プラグインとの互換性確認
ステップ③:一時的回避策とセキュリティ強化
アップデートが完了するまでの間、または追加的なセキュリティ対策として、即効性のある防御策を実装する必要があります。ACF の脆弱性は管理画面へのアクセスが前提となるため、管理画面自体のセキュリティを強化することで攻撃リスクを大幅に軽減できます。
ここでは、プラグインの設定変更やコードの追加により、短時間で実装可能な対策を中心に解説します。これらの対策は恒久的なセキュリティ強化にもつながるため、脆弱性対応が完了した後も継続して運用することをお勧めします。特に複数サイトを管理している制作会社では、標準的なセキュリティ設定として統一することで、今後の運用効率も向上します。
即効性のある対策
- 管理画面アクセス制限:IP アドレス制限の実装
- 二段階認証の強制:Google Authenticator などの導入
- ログイン試行制限:Wordfence や SiteGuard WP Plugin の活用
- 定期的なセキュリティスキャン:自動化されたマルウェア検知
ステップ④:データベース整合性の確認・検証
アップデートとセキュリティ強化が完了しても、作業はまだ終わりません。ACF はデータベースに複雑な構造でカスタムフィールドデータを保存しているため、更新作業によりデータの整合性に問題が生じる可能性があります。
特に大量のカスタムフィールドを使用しているサイトでは、一部のデータが正しく表示されない、管理画面で編集できない、パフォーマンスが低下するなどの問題が発生することがあります。ここでは、更新作業が正常に完了したことを確認し、顧客に安心してサイトを使い続けてもらうための検証手順を解説します。この段階を怠ると、後々クライアントからの問い合わせやトラブル対応に追われることになりかねません。
更新後の必須チェック項目
- カスタムフィールドデータの整合性確認
- フロントエンドでの表示確認
- 管理画面での編集機能テスト
- パフォーマンス測定
対応後に見落としがちな3つの注意点
脆弱性対応が技術的に完了すると、「これで一安心」と考えがちですが、実はここからが重要な局面です。多くの制作会社が見落としがちなのが、対応後のフォローアップと体制整備です。
顧客への適切な報告を行わなければ信頼関係に影響しますし、チーム内での対応手順や判断基準の共有が不十分だと、次の脆弱性発見時に同じような混乱や対応の遅れが発生するリスクがあります。また、今回の対応で終わりではなく、継続的な脆弱性監視体制を構築しなければ、新たな脅威に対応できません。ここでは、技術対応が完了した後に取り組むべき3つの重要なポイントについて、実務的な観点から解説します。これらの対応を怠ると、せっかくの技術対応が無駄になってしまう可能性があります。
1. 顧客への報告義務と説明責任の範囲
脆弱性対応が完了したら、顧客に対して実施した対策内容を適切に報告し、今後の安全性について説明する責任があります。特に、セキュリティに関わる作業を事前の相談なく実施した場合、後から「勝手に変更された」というトラブルに発展する可能性もあります。
また、顧客によってはセキュリティ対応の詳細な報告を求められる場合や、社内での報告義務がある場合もあります。どこまで詳しく説明すべきか、どのような形式で報告するかを事前に整理しておくことで、顧客との信頼関係を維持しながらプロフェッショナルな対応を示すことができます。
報告すべき内容
- 発見された脆弱性の概要と影響度
- 実施した対策内容と完了時期
- 今後の予防策と監視体制
- 緊急時の連絡体制
クライアント向け報告書テンプレート
件名:【重要】セキュリティアップデート完了のご報告
○○様
いつもお世話になっております。
この度、ご利用いただいているWebサイトのセキュリティ強化作業が完了いたしましたので、ご報告いたします。
■ 対応内容
・Advanced Custom Fields プラグインのセキュリティアップデート
・脆弱性:CVE-2024-45429(クロスサイトスクリプティング)
・対策:バージョン6.3.6への更新(完了日:○月○日)
■ 今後の対応
・月次でのセキュリティ監視継続
・新たな脆弱性発見時の即時対応
ご質問がございましたら、お気軽にお申し付けください。
2. チーム内での情報共有と対応体制の標準化
今回の脆弱性対応で得た知見やノウハウを、チーム内でしっかりと共有・標準化しておくことが重要です。属人的な対応に頼っていると、担当者が不在の際に適切な判断ができなかったり、対応品質にばらつきが生じたりするリスクがあります。
特に脆弱性対応は緊急性が高く、限られた時間で正確な判断が求められるため、事前に明確な手順とルールを整備しておく必要があります。また、新しいメンバーが加わった際にも、標準化された手順があることで迅速に戦力化できます。
チーム内で統一すべき項目
- 脆弱性情報の収集源:JVN、NVD、Wordfence などの定期確認
- 対応手順の文書化:チェックリストとテンプレートの整備
- 緊急時の連絡体制:担当者の明確化と代替要員の確保
- 技術的な対応スキル:WordPress CLI、データベース操作の習得
社内向け対応フローの例
- 情報収集と共有(毎週の定例など)
- 影響度評価(24時間以内)
- 顧客への事前通知(高リスク案件の場合)
- テスト環境での検証
- 本番環境への適用
- 動作確認と報告書作成
標準化された対応体制を構築することで、脆弱性発見から対応完了までの時間を大幅に短縮でき、対応品質の向上と顧客満足度の向上を両立できます。また、チーム全体のスキルレベルが底上げされることで、個々のメンバーの成長にもつながり、制作会社としての競争力強化にも寄与します。
3. 脆弱性情報キャッチアップ体制
脆弱性対応が完了しても、新たな脅威は継続的に発見されます。WordPress エコシステムでは日々新しいバージョンがリリースされ、既存のプラグインにも定期的に脆弱性が見つかるため、受動的な対応では限界があります。
制作会社として顧客サイトを継続的に守るためには、脆弱性情報を能動的に収集し、迅速に評価・対応できる仕組みを構築する必要があります。特に管理サイト数が多い場合、手動での監視には限界があるため、自動化ツールやアラート機能を活用した効率的な監視体制が重要です。継続的な脆弱性監視を実現するための情報源の選定から、自動化ツールの活用方法まで、実践的なキャッチアップ体制の構築を目指しましょう。
情報源の例
- JVN(Japan Vulnerability Notes):日本の公式脆弱性情報
- WordPress Security Team:公式セキュリティ情報
- Wordfence Intelligence:プラグイン固有の脆弱性情報
- Patchstack:リアルタイムな脆弱性レポート
自動化ツールの活用
- Slack/Teams 通知:脆弱性情報の即時共有
- 定期レポート自動生成:月次セキュリティ状況の可視化
継続的な脆弱性監視体制を構築することで、新たな脅威に対する対応時間を大幅に短縮でき、顧客サイトのセキュリティレベルを常に最新の状態に保つことができます。また、自動化ツールの活用により運用工数を削減しながら監視品質を向上させることで、制作会社としてのサービス競争力強化と収益性向上の両立が可能になります。
WordPress セキュリティ対策の内製化限界と判断基準
ここまで ACF の脆弱性対応について詳しく解説してきましたが、根本的な問題として「すべてを自社で対応し続けるべきか」という判断があります。ACF だけでなく、WordPress エコシステム全体で日々新しい脆弱性が発見されており、制作会社といえども専門的な知識とリソースが必要になってきています。
特に管理サイト数が増加するにつれて、ACF 以外のプラグインも含めた包括的な脆弱性監視から緊急対応まで、すべてを内製化することの限界が見えてくるでしょう。また、ACF 自体も今回の CVE-2024-45429 のように新たな脆弱性が継続的に発見される可能性があります。ここでは、自社対応と専門業者への委託の判断基準を整理し、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
自社対応と専門業者委託の判断基準
WordPress のセキュリティ対応を自社で継続するか、専門業者に委託するかは、制作会社にとって重要な経営判断です。コスト面だけでなく、技術的な対応品質、緊急時の対応力、そして本来業務への影響など、多角的な視点から検討する必要があります。
特に管理サイト数の増加や顧客要求の高度化に伴い、セキュリティ対応に必要なリソースは年々増大しています。適切な判断基準を持つことで、自社の強みを活かしながら効率的なセキュリティ運用を実現できます。
自社対応が適切なケース
- 技術者リソースが十分にある
- WordPress 開発の経験が豊富
- 24時間365日の監視体制が整っている
- 緊急時の対応手順が確立されている
専門業者委託を検討すべきケース
- 管理サイト数が50を超える
- 高度なセキュリティ要件のある顧客サイト
- 社内の技術者リソースが限定的
- コンプライアンス要件が厳格
自社の現状と将来計画を踏まえた適切な判断により、セキュリティ品質の向上とコスト効率の最適化を両立できます。重要なのは、顧客サイトの安全性を最優先に考えながら、制作会社としての持続可能な成長を実現することです。
専門業者委託による WordPress セキュリティサービスの価値
自社対応の限界を認識した場合、専門的な WordPress セキュリティサービスの活用が重要な選択肢となります。ACF の脆弱性対応だけでなく、WordPress エコシステム全体を包括的に保護し、将来的に発見される新たな脅威にも迅速に対応できる体制を構築することが可能になります。
継続的なプロフェッショナルサポートの価値
WordPress サイトのセキュリティは「一度対応すれば終わり」ではなく、ACF の新たな脆弱性発見や他のプラグインの脅威出現に対して、継続的な監視と改善が必要な分野です。専門業者による継続的なサポートにより、制作会社では対応が困難な高度な脅威にも迅速に対処できます。
専門業者による継続サービスの価値
- プロアクティブな脆弱性監視:ACF を含む全プラグインの新しい脅威の早期発見
- 定期的なセキュリティアップデート:計画的な更新作業と影響範囲の事前評価
- パフォーマンス最適化:セキュリティ強化と速度の両立
- インシデント発生時の迅速な対応:24時間以内の専門的な初期対応
専門業者委託により、ACF の脆弱性対応を含む包括的な WordPress セキュリティを実現し、制作会社としてのコア業務に集中しながら、顧客に対してより高いセキュリティレベルのサービスを提供できるようになります。
まとめ
Advanced Custom Fields の脆弱性対応は、技術的な課題であると同時に、ビジネスリスク管理の重要な要素です。
今回紹介した4段階の対応手順を確実に実行し、継続的なセキュリティ監視体制を構築することで、サイトの安全性を確保できます。特に重要なのは、技術的な対応だけでなく、関係者への適切な説明と社内体制の標準化です。
単発の脆弱性対応ではなく、包括的なセキュリティ戦略を構築し、顧客などの関係者と長期的な信頼関係を築いていくことが、今後のビジネス成功の鍵となるでしょう。
当社へご興味をお持ちいただきありがとうございます。
「こんなことやってみたい!」と、ぜひ気軽にご相談ください。
担当者よりご連絡差し上げます。