WordPressの保守は必要?放置リスクと内製・外注の判断基準を徹底解説

WordPress の保守は必要? 放置リスクと内製・外注の判断基準を徹底解説

「WordPress サイトをリニューアルしたばかりだが、制作会社から保守契約を提案されて迷っている」「費用を抑えたいが、本当に保守が必要なのか分からない」といった悩みを抱えていませんか?

WordPress は世界で最も利用されている CMS です。だからこそハッカーの標的になりやすく、適切な保守を行わないと深刻な被害を受ける可能性があります。一方で、すべての作業を外注する必要はなく、自社のリソースに応じた対応方法が存在します。

本記事では、WordPress 保守の必要性から具体的な作業内容まで実践的に解説しています。さらに、内製と外注の判断基準、業者選定のポイントについても詳しく紹介します。

WordPress を運用するうえで保守は必須!

WordPress は世界最大シェアの CMS ゆえに、ハッカーからの標的になりやすく、定期的な保守作業が不可欠です。

まず、WordPress 普及率の高さを考えてみましょう。全世界の Web サイトの約43%が WordPressで 構築されており、この利用者数の多さがそのまま攻撃者にとっての魅力となっています。そのため、プラグインやテーマの更新、セキュリティ対策、バックアップなどを怠ると、サイトの乗っ取りやデータ消失などの深刻な被害を受ける可能性が高くなります。

特に注意すべきは、WordPress 本体やプラグインには定期的にセキュリティアップデートがリリースされている点です。古いバージョンのまま放置すると、既知の脆弱性を突かれるリスクが急激に高まります。そのため、継続的な保守により安全で安定したサイト運営を実現できるのです。

また、Google 検索エンジンはサイトの安全性やパフォーマンスを重視する傾向が強まっています。適切に保守されていないサイトは検索順位の低下を招く可能性もあります。ビジネスにとって重要な集客チャネルを失わないためにも、計画的な保守体制の構築が欠かせません。

参考:2025 WordPress Market Share Report: How Popular Is It?

WordPress を保守せず放置するリスク

WordPress 保守を怠ることで発生する主要なリスクを3つの観点から詳しく解説します。これらの放置による被害の深刻さを理解することで、保守の必要性がより明確になるでしょう。

セキュリティリスクの増大

WordPress の脆弱性を狙ったサイバー攻撃が日常的に発生しており、古いバージョンのまま放置すると格好の標的となります。

実際に、セキュリティ企業の調査によると、WordPress サイトへの攻撃は1日あたり数万件以上発生しています。その多くが既知の脆弱性を突いた攻撃であり、これらの攻撃によってマルウェア感染、不正ログイン、データ改ざん、個人情報漏洩などのリスクが高まります。最悪の場合、企業の存続に関わる深刻な被害を受ける可能性があります。

特に恐ろしいのは、感染に気づかずに長期間放置してしまうケースです。例えば、サイトが改ざんされて詐欺サイトへのリダイレクトが仕込まれたり、顧客の個人情報が密かに盗まれたりする事例も報告されています。だからこそ、定期的なセキュリティ更新が必須であり、「うちは狙われない」という楽観的な考えは非常に危険といえるのです。

参考:Usage Statistics and Market Share of Content Management Systems, July 2025

サイトの動作不良や表示崩れ

プラグインやテーマの非互換性により、サイトの表示崩れや機能停止が発生する可能性が高くなります。

WordPress は非常に多くのプラグインやテーマが存在します。しかし、それらの開発者や更新頻度はバラバラです。特に WordPress 本体の更新後に古いプラグインを使い続けると、エラーが頻発しユーザ体験が大幅に悪化します。訪問者がサイトを正常に閲覧できなくなれば、せっかくの集客努力が水の泡になってしまうでしょう。

さらに、表示崩れやエラーが頻発するサイトは、検索エンジンからの評価も下がりやすくなります。なぜなら、Google は「ページエクスペリエンス」を重要な評価指標としており、サイトの安定性や使いやすさが検索順位に直接影響する時代だからです。このように、ビジネス機会の損失につながる重大な問題となるため、継続的な動作確認と修正対応が不可欠でしょう。

信頼性の失墜

セキュリティ事故やサイト障害が発生すると、顧客や取引先からの信頼を失い、企業ブランドに深刻なダメージを与えます。

現代のビジネスにおいて、企業の Web サイトは「会社の顔」として機能しています。そのため、サイトの品質がそのまま企業の信頼性を表すと認識されています。特に BtoB ビジネスでは、サイトの不具合が直接的に商談機会の損失や既存顧客の離反につながる現実があります。

また、情報漏洩や改ざん事故が発生した場合、報道されるリスクもあり、企業の社会的信用は大きく傷つきます。一度失った信頼の回復には長期間と多大なコストを要する現実があるため、事前の予防策が極めて重要になります。

WordPress の保守作業一覧

WordPress 保守には具体的にどのような作業が含まれるのでしょうか。主要な保守作業を5つに分けて詳しく解説します。

バージョン更新

WordPress 本体、テーマ、プラグインを最新バージョンに更新し、セキュリティ脆弱性の解消と新機能の活用を図る作業です。

更新作業においては、まず必ずバックアップを取得し、テスト環境での動作確認を実施します。その後、本番環境での更新を行い、サイト全体の動作チェックを実施します。もし問題があれば、即座に前バージョンに戻す対応が必要になります。

更新作業は一見簡単に見えますが、実際にはプラグイン同士の相性や、テーマとの互換性など、様々な要因で不具合が発生する可能性があります。だからこそ、慎重な手順を踏んで実施することが重要なのです。

パフォーマンス・動作監視

サイトの表示速度、稼働率、エラー発生状況を継続的に監視し、問題の早期発見と対応を行う作業です。

具体的には、ページ読み込み時間の測定、サーバリソースの使用状況確認、404エラーやサーバエラーの監視などを実施します。これらの監視により、ユーザがストレスなくサイトを利用できる環境を維持できます。

また、Google のページ速度要求やユーザ体験向上のため、定期的な最適化作業も含まれます。例えば、画像の圧縮、キャッシュ設定の調整、不要なプラグインの削除などを通じて、サイトのパフォーマンスを継続的に改善していきます。

データのバックアップ

サイトのデータベースとファイルを定期的にバックアップし、万一の障害時に迅速な復旧を可能にする重要な作業です。

実際の作業としては、日次・週次・月次の複数世代バックアップを取得し、クラウドストレージなど複数の場所に保存します。ただし、バックアップを取るだけでは不十分で、復旧テストも定期的に実施し、バックアップの有効性を確認する必要があります。

なぜなら、いざという時にバックアップが破損していたり、復旧手順が分からなかったりすると、せっかくのバックアップが意味をなさないからです。そのため、定期的な復旧テストによって、確実に復旧できる体制を整えることが重要になります。

セキュリティ監視・ログチェック

不正アクセスやマルウェア感染の兆候を監視し、セキュリティインシデントの早期発見と対応を行う作業です。

具体的な作業内容として、アクセスログの解析、管理者ログイン履歴の確認、ファイル改ざん検知、不審なアクティビティの監視などを実施します。さらに、セキュリティプラグインの設定最適化や定期的な脆弱性スキャンも含まれます。

これらの監視作業により、攻撃の初期段階で異常を発見し、被害を最小限に抑えることが可能になります。また、定期的なログチェックによって、攻撃パターンを分析し、より効果的な防御策を講じることもできるでしょう。

サーバ管理

WordPress が稼働するサーバ環境の監視と最適化を行う作業です。

主な作業として、サーバリソース使用状況の監視、ディスク容量の管理、データベースの最適化、キャッシュ設定の調整などを実施します。また、サーバーのセキュリティパッチ適用や PHP バージョンの更新なども含み、安定した動作環境を維持します。

サーバ管理は技術的な専門知識が必要な分野です。しかし、WordPress の安定稼働には欠かせない要素のため、自社で対応が困難な場合は専門業者への依頼を検討することが重要になります。

WordPress の保守作業は内製すべきか外注すべきか

WordPress 保守を自社で行うか、外部業者に依頼するかは重要な判断です。それぞれのケースに適した条件を詳しく解説します。

自社で内製すべきケース

社内に WordPress の技術的知識を持つ担当者がおり、小規模サイトで保守負荷が軽い場合は内製が効果的です。特に、金融機関や医療機関など、セキュリティポリシーや業界規制により外部業者にサーバアクセス権限を付与できない企業では、内製が唯一の選択肢となります。

内製のメリットは、コスト削減に加え、社内ノウハウの蓄積、緊急時の迅速対応、機密情報の漏洩リスク回避が挙げられます。サイトの仕様を深く理解した担当者による迅速な判断により、ビジネスへの影響を最小限に抑えることが可能です。

外注すべきケース

社内に WordPress に精通した技術者がいない場合や、他業務が忙しく十分なリソースを割けない場合は、保守業務を外注するのが現実的な選択です。特に複雑な機能を備えたサイトや、高いセキュリティレベルが求められるサイト、24時間365日の監視体制が必要なケースでは、専門業者への委託が適しています。

ただし、外注時にはサーバ・データベース・WordPress 管理画面への広範囲なアクセス権限を付与することになるため、業者選定は慎重に行う必要があります。守秘義務契約の締結に加え、プライバシーマーク(Pマーク)やISMS(ISO27001)などの個人情報保護・情報セキュリティ認証を保有する信頼できる業者を選びましょう。

外注の最大のメリットは、専門知識と専用ツールを活用した高品質なサービスを受けられることです。社内の保守対応負担を大幅に軽減し、自社のコア業務にリソースを集中できるようになります。また、常に変化する技術トレンドへの対応や、新たな脆弱性への迅速な対処も、外部の専門パートナーならではの強みといえるでしょう。

WordPress サイトの安定運用を外部に任せたい場合は、デジタルキューブの保守サービスをご検討ください。定期アップデートから障害対応、監視まで、専門チームが日々の運用を力強くサポートします。

WordPress の保守サービスの外注費用相場

WordPress 保守を外注する場合の費用相場を、サイト規模別に詳しく解説します。

個人・小規模サイトの保守費用は月額3,000〜10,000円程度が相場です。基本的なセキュリティ監視、バックアップ、簡単な更新作業が含まれることが一般的です。ただし、緊急時の対応や大幅なカスタマイズは別料金となる場合が多いでしょう。

中規模サイトの保守費用は月額10,000〜30,000円程度となります。より詳細な監視、定期的なパフォーマンス最適化、セキュリティ強化などが含まれます。また、営業時間内でのサポート対応も期待できるレベルです。

大規模サイト・EC サイトの保守費用は月額30,000円〜50,000円以上が一般的です。24時間監視、高度なセキュリティ対策、専属担当者の配置などが含まれます。さらに、緊急時の迅速な対応やカスタマイズ対応も料金に含まれることが多いでしょう。

WordPress の保守サービスを選定する際の基準

適切な保守業者を選ぶために重要な5つの基準を詳しく解説します。これらの基準を参考に、自社に最適なパートナーを見つけましょう。

WordPress に関する知識の深さ

WordPress の技術的知識、プラグイン・テーマの専門性、セキュリティ対策の経験などを総合的に評価することが重要です。

具体的には、担当者の資格や実務経験年数、対応可能な技術範囲を確認し、自社サイトの要件に対応できる技術力があるかを判断します。また、最新バージョンへの対応状況や技術トレンドへの理解度も重要な選定基準となります。

技術力の確認方法として、過去の対応事例や導入事例を詳しく聞いてみることをおすすめします。さらに、担当者との技術的な会話を通じて、実際の知識レベルを確認することも大切でしょう。

サポート対応の早さ・品質

緊急時の対応時間、平常時の問い合わせ対応速度、技術サポートの質を評価することが必要です。

まず、24時間365日対応の有無、障害時の復旧時間の目安、コミュニケーション品質なども確認しましょう。さらに、SLA(サービスレベル合意)の内容や、過去の対応実績、顧客満足度なども重要な判断材料となります。

実際にサポートを受ける前に、問い合わせ時の対応スピードや担当者の知識レベルを確認してみることをおすすめします。また、緊急時の連絡手段や対応フローについても事前に確認しておくことが重要です。

料金・費用対効果

月額料金だけでなく、初期費用、緊急対応費用、追加作業費用なども含めた総コストを評価する必要があります。

提供されるサービス内容と料金のバランス、同業他社との比較、長期契約時の割引なども総合的に判断しましょう。また、隠れたコストがないか、料金体系が明確かも重要なチェックポイントです。

費用対効果を正しく評価するためには、自社で内製した場合のコストと比較することも大切です。人件費、ツール費用、学習コストなども含めて総合的に判断することで、適切な選択ができるでしょう。

実績や信頼性

過去の保守実績、同業界での経験、顧客の継続率などを確認し、信頼できるパートナーかを判断することが重要です。

企業の財務安定性、技術者のスキルレベル、情報セキュリティ体制なども評価対象に含めましょう。さらに、口コミや評判、実際の顧客からの推薦なども参考にし、長期的なパートナーシップを築ける業者を選定することが大切です。

信頼性を確認する方法として、同業他社での導入事例や、長期契約を結んでいる顧客の声を聞いてみることをおすすめします。また、業者の会社規模や事業継続性についても確認しておくことが重要でしょう。

サービス内容の柔軟性

自社の要件変更や事業成長に合わせて、サービス内容を柔軟に調整できるかを確認することが必要です。

カスタマイズ対応の可否、サービスレベルの変更対応、新機能追加への対応力などを評価しましょう。また、将来的な拡張性も考慮し、長期的な関係構築が可能な業者を選択することが重要な判断基準となります。

柔軟性を確認するためには、過去に他の顧客からの要望にどのように対応してきたかを聞いてみることが効果的です。さらに、契約内容の変更がどの程度可能なのかも事前に確認しておくことをおすすめします。

まとめ

WordPress の保守は、サイトの安全性と安定性を保つために欠かせない業務です。対応を怠れば、セキュリティの脆弱化やパフォーマンスの低下、さらにはユーザや取引先からの信頼を損なうリスクが高まり、企業活動にも大きな影響を与えかねません。

保守業務には、パフォーマンス監視、脆弱性対応、アップデート管理など、幅広く専門的な知識が求められます。だからこそ、自社の体制やスキルに応じて、内製すべきか外注すべきかを見極めることが重要です。

外注を検討する場合は、「技術力」「サポートの質」「費用対効果」「実績」「柔軟性」といった観点から、信頼できるパートナーを選びましょう。適切な支援体制を構築できれば、運用の手間を減らしながら、より安全で安定したサイト運営が実現できます。

WordPress の保守に不安がある方や、運用負荷を軽減したいとお考えの方は、デジタルキューブの保守サービスをご活用ください。定期的なアップデートからセキュリティ監視、トラブル時の迅速対応まで、専門チームが継続的にサポートします。

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