WordPress サイトのハッキングの兆候と対処法|予防策と運用体制も徹底解説

WordPress サイトのハッキングの兆候と対処法|予防策と運用体制も徹底解説

最近、WordPress サイトの動作に違和感を覚えていませんか?ログインができない、サイトが重い、見覚えのない表示が現れるなど、日常とは異なる症状に不安を感じている方も多いはずです。

専門知識がない状態でハッキングの可能性を疑うと、どう対処すべきか判断に迷うもの。しかし、適切な知識さえあれば、冷静に状況を判断し、被害を最小限に抑えられます。

本記事では、WordPress サイトのハッキングの具体的な兆候から原因分析、実践的な対処手順、そして今後の予防策まで体系的に解説いたします。記事を読めば、あなたのサイトが安全かどうか確実に判断でき、万が一の際も適切な対応を取れるようになります。

WordPress サイトがハッキングされている場合の危険な兆候

WordPress サイトがハッキング被害に遭うと、いくつかの特徴的な兆候が現れます。

まず、サイトの表示速度が著しく低下する現象があります。また、見覚えのないページやポップアップが突然表示されたり、管理画面にログインできなくなったりするケースも頻発します。さらに、勝手に投稿が作成される、検索結果に不審なタイトルが表示されるといった異常も要注意でしょう。

一方、外部からの警告も重要な判断材料となります。たとえば、Google Search Console でマルウェア警告が表示される場合や、ブラウザで「サイトは安全ではありません」という警告が出る場合は深刻な状況です。また、訪問者から「ウイルス警告が出る」という報告を受けた際も、即座にハッキング被害を疑い、適切な対応を開始する必要があります。

WordPress サイトがハッキングされやすくなる原因

WordPress サイトがハッキングされる背景には、共通した脆弱性や管理上の問題が潜んでいます。世界で最も利用されているオープンソースの CMS であるため、ハッカーの攻撃対象となりやすく、不正アクセスによる情報漏えいやクレジットカードの不正利用などを未然に防ぐためにもセキュリティ対策が非常に重要となります。

定期的なアップデートを怠っている

WordPress 本体、プラグイン、テーマの更新を怠ると、既知の脆弱性が修正されないまま放置されます。

なぜなら、攻撃者は公開されている脆弱性情報を狙って攻撃を仕掛けるためです。そのため、アップデートの遅れは致命的なリスクといえるでしょう。セキュリティアップデートは発見次第すぐに適用し、定期的な更新スケジュールを確立することが攻撃を防ぐ第一歩になります。

脆弱なパスワードやユーザー名を使用している

「admin」「password」「123456」といった単純なユーザー名やパスワードは、ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)の格好の標的です。

同様に、推測しやすい個人情報(誕生日、名前など)をパスワードに使用することも危険となります。したがって、14文字以上の英数字と記号を組み合わせた複雑なパスワードと、推測困難なユーザー名の使用が必須といえるでしょう。

信頼性の低いプラグインを利用している

開発者不明のプラグインや長期間更新されていないプラグインは、セキュリティホールが放置されている可能性が高いといえます。

特に、海賊版やクラック版のプラグインには悪意のあるコードが埋め込まれている危険性もあります。そこで、公式ディレクトリの信頼できるプラグインのみを使用し、定期的にレビューと不要なプラグインの削除を行うことが重要です。

不適切なアクセス権限やサーバー設定など管理ミス

ファイルやディレクトリのアクセス権限が適切に設定されていない場合、攻撃者の侵入を許してしまいます。また、FTP アカウントの管理が甘い、データベースの設定が不適切などの管理ミスも攻撃の入り口となるでしょう。

これらの問題を解決するには、サーバー設定の見直し、不要なアカウントの削除、適切な権限設定により、攻撃者の侵入経路を遮断することが必要です。

プラグインやツールなどのセキュリティ対策を施していない

セキュリティプラグイン(Wordfence、Sucuri など)、ファイアウォール、マルウェアスキャンなどの基本的な防御策を講じていないサイトは格好の標的となります。

加えて、SSL 証明書の未導入、バックアップ体制の不備なども、被害拡大のリスクを高める要因です。そのため、多層防御の考え方で包括的なセキュリティ対策を実施することが重要になるでしょう。

意図せず攻撃のヒントを公開している

WordPress のバージョン情報、使用プラグイン情報、管理画面の URL などを公開していると、攻撃者に有益な情報を提供してしまいます。

さらに、エラーメッセージでサーバー情報が漏洩する、開発者向けの情報が残っているなども危険です。したがって、不要な情報の非表示化と情報漏洩の防止策を講じることが必要となります。

WordPress サイトがハッキングされた場合の対処手順

ハッキング被害を発見した際は、段階的かつ冷静な対応が被害拡大を防ぐ鍵となります。

STEP1|慌てずサイトの状況を確認

ハッキング被害を発見した際は、慌てて操作せずまず被害状況を冷静に確認しましょう。

具体的には、スクリーンショットを撮影して証拠を保全し、いつ頃から異常が発生しているか時系列を整理する必要があります。また、管理画面にアクセス可能か、どのような不審な変更があるか、訪問者への影響範囲などを詳細に調査することが重要です。

STEP2|サイトを一時的に非公開

被害拡大を防ぐため、サイトを一時的にメンテナンスモードに設定し、訪問者への二次被害を防ぎます。

具体的な方法としては、サーバーの管理画面からサイトを停止するか、メンテナンスプラグインを使用して非公開化します。なぜなら、検索エンジンにマルウェアサイトとして認識される前に、迅速な対応を行うことが重要だからです。

STEP3|原因調査と感染ファイルを特定・削除

サーバーログとファイルを詳細に調査し、不審なファイルや改ざんされたコードを特定する必要があります。

そのために、マルウェアスキャンツールを使用して感染ファイルを検出し、バックドア(不正な侵入経路)や不正なスクリプトを削除します。同時に、管理者アカウントの不正追加、プラグインの改ざん、テーマファイルの変更なども確認し、すべての痕跡を除去することが大切です。

STEP4|バックアップから復元 or クリーンな環境で再構築

感染前のクリーンなバックアップがある場合は、そのバックアップから復元を行います。

一方、バックアップが利用できない場合は、WordPress 本体を再インストールし、プラグインとテーマも信頼できるソースから再導入します。その際、データベースは感染部分を除去してからインポートし、必要に応じて手動でコンテンツを復旧する作業が必要になるでしょう。

STEP5|再発防止のためのセキュリティ対策を強化

復旧完了後は、再発防止のため以下の包括的なセキュリティ対策を実施します。

さらに、定期的なバックアップ体制を確立し、セキュリティ監視の強化とアップデート管理の徹底により、今後の攻撃を防御する体制を構築しましょう。

WordPress サイトのハッキングを防ぐための運用体制のポイント

継続的なセキュリティ維持には、組織的な運用体制の構築が不可欠となります。

管理者アカウントの運用ルールを明確にしておく

WordPress 管理者権限を持つアカウント数を最小限に抑え、各アカウントの利用目的と責任者を明確に定義しましょう。同様に、サーバー管理者権限(FTP、SSH、データベース管理権限など)についても必要最小限の担当者のみに付与することが重要です。

そのうえで、強固なパスワードポリシーを設定し、定期的なパスワード変更を義務化します。また、退職者のアカウント削除、二要素認証の導入、ログイン履歴の定期確認など、アカウント管理の運用ルールを文書化し遵守することが必要となります。

保守・更新作業のスケジュールを決めておく

WordPress 本体、プラグイン、テーマの更新スケジュールを明確に定め、セキュリティ担当者と実施タイミングを決定します。

特に、セキュリティアップデートは即座に適用し、通常のアップデートは月1回などの定期スケジュールで実施します。そして、更新前のバックアップ取得、更新後の動作確認も含めた作業手順を標準化し、確実な実行を担保しましょう。

万一に備えた対応フローを整備する

ハッキング被害発見時の初動対応、セキュリティ担当者への連絡体制、復旧作業の手順、お客様への告知方法などを事前に文書化しておく必要があります。

また、緊急時の意思決定者を明確にし、外部専門業者との連携体制も整備します。そして、定期的に対応訓練を実施し、実際の緊急時に迅速で適切な対応ができる体制を維持しましょう。

セキュリティ監視やログチェックの役割を定める

アクセスログ・エラーログ・セキュリティログの定期チェック担当者を決定し、異常検知時の対応フローを明確化します。

そのために、監視すべき項目、チェック頻度、アラート基準を標準化し、見落としを防ぐ仕組みを構築します。さらに、セキュリティツールの設定管理と運用も含め、継続的な監視体制を確立することが大切です。

属人化を防ぐためのドキュメント・マニュアル整備

WordPress の設定情報、カスタマイズ内容、運用手順、緊急時対応などを詳細に文書化し、特定の担当者に依存しない体制を構築する必要があります。

併せて、パスワード管理、サーバー設定、プラグイン情報なども安全に共有できる仕組みを整備します。そして、定期的な教育研修により、複数の担当者が対応できる体制を維持することが重要となります。

まとめ

WordPress サイトのハッキングは、誰にでも起こりうるリスクです。しかし、適切な知識と日々の備えがあれば、そのリスクを大幅に軽減することができます。まずは、不審な兆候に気づけるようになること、そして脆弱性の原因を理解することが重要です。

仮に被害に遭った場合も、慌てずに段階的な復旧手順を踏むことで、早期の対応と再発防止につながります。とはいえ、本質的に大切なのは「事前の予防」と「継続的な運用体制の整備」です。

日々のアップデートやパスワード管理に加え、信頼性の高いプラグインの利用、WAF の導入、バックアップ体制の確保など、基本的な対策を確実に講じていくことで、安全な WordPress 運用を実現できます。

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