オウンドメディアの立ち上げで WordPress サーバー選びに悩んでいませんか？「技術的な知識が不足している」「どのサーバーが企業利用に適しているかわからない」「後から移転が必要になるのは避けたい」といった不安を抱える担当者の方も多いでしょう。
個人ブログとは異なり、企業サイトではセキュリティ、安定性、サポート体制など、より高いレベルの要件が求められます。間違ったサーバー選びをすると、運用開始後にパフォーマンス不足やセキュリティ問題に直面し、コストのかかる移転作業が必要になることもあります。
この記事では、企業のマーケティング担当者や情報システム部門向けに、WordPress サーバーの選び方を体系的に解説します。初心者でも理解できるポイント整理から、具体的なおすすめサーバー比較、導入時の注意点まで、実務に直結する情報を網羅しています。適切なサーバー選びにより、スムーズなオウンドメディア運営を実現しましょう。
目次
WordPress サーバーの選び方｜初心者でも失敗しないポイント
企業の WordPress サーバー選びでは、個人利用とは異なる観点での判断が必要です。以下の6つのポイントを押さえることで、長期的に安定した運用が可能なサーバーを選択できます。
導入のしやすさ
WordPress の自動インストール機能があるか、管理画面が分かりやすいかは初心者にとって重要なポイントです。企業では技術者以外のマーケティング担当者がサイト運用を行うケースが多いため、直感的に操作できるコントロールパネルが必須となります。
また、独自ドメインの設定や SSL 証明書の導入も簡単にできるサーバーを選びましょう。複雑な設定が必要なサーバーだと、初期構築で躓いてプロジェクトが遅延するリスクがあります。導入のハードルが低いサーバーなら、スピーディーなメディア立ち上げが可能です。
特に、ワンクリックで WordPress がインストールできる機能や、初期設定をサポートしてくれるウィザード機能があると、技術的な知識がなくても安心して導入を進められます。
運用体制に合うか
社内の技術リソースや運用体制に合ったサーバーを選ぶことが重要です。情報システム部門がしっかりしている企業なら多少技術的なサーバーでも対応できますが、マーケティング担当者がメインで運用する場合は、保守性の高いマネージドサービスが適しています。
また、複数人でサイト管理を行う場合は、ユーザー管理機能やアクセス権限設定が充実しているかもチェックしましょう。運用体制とサーバーの特性がマッチしていないと、日々の更新作業が負担になり、メディア運営が継続できなくなるリスクがあります。
定期的なメンテナンス作業の自動化機能や、管理画面の使いやすさも運用効率に大きく影響するため、実際の運用を想定した評価が必要です。
将来の拡張性とアクセス耐性
オウンドメディアが成功すれば、アクセス数の急激な増加やコンテンツ量の拡大が予想されます。初期は小規模でも、将来的にプラン変更やサーバー増強ができるかを確認しておきましょう。
特に月間数十万 PV 以上のアクセスが見込まれる場合は、CDN（コンテンツ配信ネットワーク）や高速化機能が標準で提供されているサーバーが有利です。また、データベースの容量制限や同時接続数の上限も事前にチェックが必要です。
スケーラビリティの低いサーバーを選ぶと、成長段階でサーバー移転という大きな手間とコストが発生してしまいます。プラン変更時の移行作業の簡単さや、ダウンタイムの発生有無なども確認しておくと安心です。
セキュリティ基準が企業レベルに対応しているか
企業サイトは個人ブログより攻撃対象になりやすく、万が一の情報漏洩や改ざんが起こるとブランドイメージに大きなダメージを与えます。WAF（Web Application Firewall）、DDoS 攻撃対策、自動バックアップ機能は最低限必要な要素です。
また、サーバー側での WordPress アップデートサポートや、マルウェア検知機能があると安心です。SSL証明書の自動更新機能も重要で、証明書の期限切れによるサイト停止を防げます。
セキュリティ機能が充実していないサーバーは、企業利用では避けるべきです。定期的なセキュリティ監査の実施状況や、過去のセキュリティインシデントの対応実績なども判断材料として活用しましょう。
サポート体制とレスポンスの速さ
トラブル発生時の対応速度は、企業サイトの信頼性に直結します。24時間365日のサポート体制があるか、電話・チャット・メールなど複数の問い合わせ方法が用意されているかを確認しましょう。
特に WordPress 初心者の場合、技術的な質問に丁寧に答えてくれるサポートがあるかどうかが重要です。レスポンス時間の目安や、過去のサポート満足度なども判断材料になります。
サポートが手薄だと、問題解決に時間がかかり、サイト停止時間が長引いてビジネスに影響を与える可能性があります。日本語でのサポート対応や、企業向けの専用サポート窓口の有無も確認しておくと良いでしょう。
コストと契約形態
初期費用、月額料金、オプション料金を含めた総コストを比較検討します。企業利用では個人契約ではなく法人契約ができるか、請求書払いに対応しているかも重要なポイントです。
また、最低利用期間の縛りや解約時の条件も事前に確認しておきましょう。安すぎるプランは機能制限が多く、高すぎるプランは予算オーバーになりがちです。自社の予算とニーズに合った適正価格帯のサーバーを選ぶことが大切です。
長期契約で割引がある場合も多いので、メディア運営の継続期間も考慮して契約形態を決定しましょう。追加で発生する可能性があるコスト（データ転送量超過料金など）も事前に把握しておくと予算管理がしやすくなります。
企業利用におすすめの WordPress 設置サーバー5選
以下では、企業での WordPress 運用に適した5つのサーバーサービスを厳選してご紹介します。それぞれの特徴や強みを理解して、自社の要件に最も適したサーバーを選択しましょう。
Amimoto｜AWS上で構築された WordPress 専用高性能環境
Amimoto は AWS（Amazon Web Services）上で動作する WordPress 専用のマネージドホスティングサービスです。WordPress 高速化技術をベースとした環境で、従来のレンタルサーバーとは一線を画すパフォーマンスを実現しています。
自動スケーリング機能により、アクセス急増時でも安定した表示速度を維持し、企業サイトに求められる高可用性を提供します。WordPress 専用に最適化されたサーバー環境により、管理画面の動作も非常に軽快で、大量のコンテンツを扱うオウンドメディアでも快適な運用が可能です。
月額1,980円からの利用で、AWS の信頼性と WordPress 専用最適化の両方を享受できます。技術的な管理は Amimoto が担うため、企業の担当者は本来の業務に集中できる環境が整っています。
Amimoto の導入や最適なプラン選定にお悩みの場合は、WordPress 専門家によるコンサルティングサービスもご検討ください。
公式サイト：Amimoto
エックスサーバー｜国内シェアが高く、安定性とサポートに強い
エックスサーバーは国内最大級のレンタルサーバーサービスで、多くの企業サイトで採用されています。WordPress の自動インストール機能や高速化技術「KUSANAGI」の搭載により、初心者でも簡単に高性能なサイトを構築できます。
24時間365日の電話・メールサポート体制が整っており、技術的な質問にも丁寧に対応してくれます。また、自動バックアップ機能や独自 SSL 証明書の無料提供、WAFによるセキュリティ対策など、企業サイトに必要な機能が標準で搭載されています。
月額990円からの「スタンダードプラン」でも十分な性能を持ち、将来的なアクセス増加に応じてプラン変更が可能です。安定性と信頼性を重視する企業には特におすすめのサーバーです。
公式サイト：エックスサーバー
ConoHa WING｜スピード重視、管理画面が直感的で初心者向け
ConoHa WING は、高速性能と使いやすさを両立したレンタルサーバーです。独自の高速化技術により、WordPress サイトの表示速度を大幅に向上させることができます。管理画面が非常に直感的で、WordPress の導入から運用まで初心者でもスムーズに行えます。
「WINGパック」では独自ドメインが永久無料で利用でき、WordPress 向けの専用プラグイン「ConoHa WING コントローラー」により、キャッシュクリアや高速化設定を簡単に管理できます。また、自動バックアップ機能や無料 SSL 証明書、WAF 機能も標準装備されています。
月額678円からの「ベーシックプラン」（36ヶ月WINGパック契約時）でも高性能を実現し、初期費用も無料です。スピードと使いやすさを重視する企業に適したサーバーです。
公式サイト：ConoHa WING
さくらのレンタルサーバー｜長期利用に強く、コストを抑えやすい
さくらのレンタルサーバーは、20年以上の運営実績を持つ老舗のサーバーサービスです。安定性とコストパフォーマンスのバランスが良く、長期的なサイト運営を考える企業に適しています。
「スタンダードプラン」では月額425円から（36ヶ月一括契約時）利用でき、WordPress の簡単インストール機能や独自 SSL 証明書の無料提供、バックアップ機能などが利用できます。また、法人向けのサポートサービスも充実しており、企業利用での安心感があります。
初期投資を抑えながらオウンドメディアを立ち上げたい企業や、長期的なコスト削減を重視する企業におすすめです。プラン変更も柔軟に対応でき、成長に合わせたスケーリングが可能です。
公式サイト：さくらのレンタルサーバ
Kinsta｜情シス負担を減らせる
Kinstaは、Google Cloud Platform をベースとした高性能マネージド WordPress ホスティングサービスです。WordPressに特化したサービス設計により、高いパフォーマンスと安定性を実現しています。
自動スケーリング機能により、アクセス急増時でも安定したサイト表示が可能で、情報システム部門の負担を大幅に軽減できます。また、ステージング環境の提供や、ワンクリックでの WordPress アップデート機能など、開発・運用効率を高める機能が豊富に用意されています。
月額35ドルからと価格は高めですが、技術的な管理をほぼ全て任せられるため、マーケティング活動に集中したい企業や、技術リソースが限られている企業に最適です。日本語サポートも提供されており、企業利用での安心感も高いサービスです。
公式サイト：Kinsta
サーバー導入時に気を付けたい注意点
WordPress サーバーの導入では、事前に把握しておくべき注意点があります。以下のポイントを押さえることで、導入後のトラブルを回避し、スムーズな運用を実現できます。
スモールスタートのつもりが移転コスト爆増
「最初は安いサーバーで始めて、成長したら移転すればいい」という考えは危険です。サーバー移転には技術的な作業が多く、データ移行、DNS 設定変更、SSL証明書の再設定など、専門知識が必要な作業が山積みです。
移転作業中にサイトが停止するリスクもあり、SEO への悪影響も考えられます。移転を外部に依頼すれば数十万円のコストがかかることも珍しくありません。最初から将来の成長を見込んで、拡張性のあるサーバーを選ぶ方が結果的にコストを抑えられます。
また、移転時にはコンテンツの整合性チェックや、各種設定の移行作業など、見落としがちな作業も多数発生します。移転前提のサーバー選びは避け、中長期的な視点でサーバーを選択しましょう。すでに他サーバーで運用中で移転を検討している場合は、専門家によるデータ移行サービスの活用をおすすめします。
情シス頼みのブラックボックス化
情報システム部門に丸投げしてサーバー設定をブラックボックス化すると、担当者の異動や退職時に困ることになります。設定内容やパスワードが共有されていないと、マーケティング担当者が日常的な更新作業すらできなくなってしまいます。
また、情報システム側も他の業務で忙しく、WordPress の細かい設定変更に対応できない場合が多いのが実情です。導入時から運用フローを明確にし、設定情報の共有と引き継ぎ体制を整えておくことが重要です。
可能な限りマーケティング担当者が自立して運用できる環境を作ること、そして重要な設定変更時の承認フローを事前に決めておくことで、効率的な運用が可能になります。
なお、技術リソースが限られている企業には、サーバー管理を専門家に任せられるフルマネージドプランが有効です。
セキュリティの初期設定放置
WordPress インストール直後は脆弱な状態なので、すぐにセキュリティ設定を行う必要があります。管理画面のユーザー名変更、強固なパスワード設定、不要なプラグインの削除、セキュリティプラグインの導入など、基本的な対策を怠ると攻撃を受けやすくなります。
特に「admin」のような推測しやすいユーザー名のまま放置するのは危険です。また、WordPress やプラグインのアップデートも定期的に実行する必要があります。セキュリティ設定は面倒な作業ですが、企業サイトでは必須の対応です。
定期的なセキュリティチェックのスケジュール化や、セキュリティ関連の責任者を明確にしておくことも重要です。初期設定だけでなく、継続的なセキュリティ管理体制の構築を心がけましょう。
障害対応の実績を確認しないまま導入
サーバー会社の障害対応実績や復旧時間を事前に調べずに契約すると、実際の障害時に長時間サイトが停止するリスクがあります。過去の障害履歴、平均復旧時間、障害時の連絡体制などは重要な判断材料です。
また、バックアップからの復旧手順や、災害時のデータ保護体制も確認しておきましょう。障害は必ず発生するものと考えて、事前に対応手順を把握しておくことが重要です。障害対応が手薄なサーバーでは、ビジネスへの影響が長期化してしまいます。
SLA（Service Level Agreement）の内容や、障害時の補償制度についても契約前に確認し、自社のビジネス要件に適合するかを判断することが大切です。
会計処理の壁を見落とす
企業でのサーバー契約では、個人利用とは異なる会計処理が必要になります。法人契約ができるか、請求書払いに対応しているか、経費計上に必要な書類が発行されるかを事前に確認しましょう。
クレジットカード払いのみのサーバーだと、経理処理が煩雑になったり、会社の支払いルールに合わない場合があります。また、複数年契約の場合の前払い処理や、途中解約時の返金処理なども経理部門と事前に調整が必要です。
会計面での制約を見落とすと、契約後に支払い方法の変更で手間取ることになります。契約前に経理部門との調整を行い、スムーズな支払い体制を整えておくことが重要です。
サーバー選びに迷ったら専門家に相談を
WordPress サーバーの選定は、企業のオウンドメディア成功を左右する重要な判断です。しかし、技術的な知識が不足していたり、多数の選択肢から最適なものを選ぶのが難しかったりする場合もあるでしょう。
LabWorks では、企業向けの WordPress ホスティングプラン選定コンサルティングサービスを提供しています。お客様の要件をヒアリングしたうえで、最適なホスティング環境をご提案します。
Amimoto と Shifter の選択肢
LabWorks では、この記事でご紹介した Amimoto をはじめ、静的サイト化による WordPress 運用が可能な Shifter も取り扱っています。Shifter は、WordPress を静的サイトとして配信することで、以下のメリットを実現します。
- セキュリティ：動的な WordPress 本体は非公開のため、攻撃リスクを大幅に軽減
- 安定性：高トラフィック時でも安定したパフォーマンスを維持
- 管理負担軽減：サーバー管理やセキュリティアップデートの手間が不要
セキュリティを最重視する企業や、アクセス急増が予想されるキャンペーンサイトに最適です。
LabWorks のサービス内容
- 最適なホスティングプラン選定コンサルティング
- Amimoto および Shifter の導入支援
- データ移行（マイグレーション）サービス
- フルマネージドプラン（サーバー管理を完全代行）
- WordPress 専門家による適切な初期構築
技術的な不安を解消し、安心してオウンドメディア運営をスタートできる環境を整えます。ぜひご検討ください。
まとめ
企業でのWordPressサーバー選びは、個人利用とは大きく異なる観点での判断が必要です。導入のしやすさ、運用体制との適合性、将来の拡張性、セキュリティ基準、サポート体制、コストと契約形態の6つのポイントを総合的に評価することが成功の鍵となります。
おすすめのサーバーとして、AWS 基盤の Amimoto、安定性重視のエックスサーバー、スピード重視の ConoHa WING、コスト重視のさくらのレンタルサーバ、管理負担軽減重視の Kinsta をご紹介しました。それぞれに特徴があるため、自社の要件と照らし合わせて最適な選択を行ってください。
また、導入時の注意点として、移転コストの問題、ブラックボックス化の回避、セキュリティ設定の重要性、障害対応実績の確認、会計処理の考慮を挙げました。これらの点に注意することで、長期的に安定した WordPress サイト運営が実現できます。
適切なサーバー選びと導入準備により、企業のオウンドメディア運営を成功に導きましょう。
当社へご興味をお持ちいただきありがとうございます。
「こんなことやってみたい！」と、ぜひ気軽にご相談ください。
担当者よりご連絡差し上げます。