WordPressの保守は自分でできる?作業内容と外注判断のポイント

WordPress の保守は自分でできる? 作業内容と外注判断のポイント

新しい Web サイトが完成し、いよいよ運用がスタート。しかし、セキュリティやバックアップなど、技術的な保守作業について「本当に自分で対応できるのだろうか」と不安に感じていませんか?

上層部からはコスト削減を求められているものの、専門知識がない状態で WordPress 保守を行うのは心配なもの。万が一トラブルが発生した際の影響を考えると、適切な判断材料が必要でしょう。

本記事では、WordPress 保守の具体的な作業内容から、自社対応と外注の判断基準まで、初心者でも理解できるよう詳しく解説いたします。記事を読むことで、WordPress 保守で何をすべきか明確になり、あなたの会社に最適な保守体制を構築できるでしょう。

WordPress 保守は自分で対応すべき?

WordPress 保守を自分で行うかプロに任せるかは、技術スキル、時間、予算により判断が分かれます。

自社対応なら外注費用を節約でき、即座に対応できるメリットがあります。しかし、技術知識が不足していると重大な問題を見落とすリスクも存在するでしょう。

専門業者への外注は費用が発生しますが、WordPress 専門の技術者による高度な対策と24時間体制の安心感を得られます。企業サイトやECサイトなど重要なサイトでは、障害による機会損失を考えると外注費用は見合う投資となる場合が多いといえるでしょう。

WordPress 保守で実施すべき作業

WordPress 保守業務には、定期的に行うべき重要な作業が複数存在いたします。どの作業もサイトの安全性と安定性を保つために欠かせません。

本体・プラグイン・テーマの定期更新

WordPress 本体のマイナーバージョン(セキュリティ修正・バグ修正)は、デフォルトで自動更新が有効になっており、1日2回のスケジュールで実行されます。メジャーバージョンは手動更新が必要で、管理画面のダッシュボードから実施します。同様に、WordPress 5.5 以降では公式ディレクトリのプラグインとテーマについても、管理画面から自動更新の有効・無効を個別に設定できるようになりました。

ただし、複雑なテーマ・プラグイン構成を持つサイトでは、自動更新よりも手動更新での慎重な対応が安全です。特にセキュリティ強化のため管理画面からのテーマ・プラグイン編集機能を無効化している環境では、自動更新も制限されるため、計画的な手動更新と事前のテスト環境での検証が重要になります。

更新時は必ずバックアップを取得し、更新後は表示確認と重要機能のテストを実施しましょう。また、不要なプラグインは削除し、必要最小限の構成を維持することでセキュリティリスクを軽減できます。

参考:自動バックグラウンド更新の設定 – サポートフォーラム – WordPress.org 日本語
参考:プラグインとテーマの自動更新 – サポートフォーラム – WordPress.org 日本語

バックアップの取得と復元準備

データベースとファイルシステムの完全バックアップを、最低でも週1回、理想的には毎日自動取得することが求められます。

バックアップは外部ストレージにも保存し、サーバ障害時にも復旧できるよう分散保存が必要でしょう。定期的に復元テストを行い、緊急時の手順を確認しておくことが大切になります。

セキュリティ対策の強化

管理者パスワードは12文字以上の複雑なものに設定し、ログイン試行回数制限を設けることが基本となります。さらに管理画面へのアクセス制限として、Basic 認証や IP アドレス制限の導入が効果的です。Basic 認証は多くのレンタルサーバで簡単に設定でき、WordPress のログイン画面にアクセスする前に追加の認証層を設けることができます。

セキュリティプラグインを導入してマルウェアスキャンとファイアウォール機能を自動化し、SSL証明書の導入と定期的なファイル変更チェックも合わせて実施しましょう。これらの多層防御により、不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。

表示・フォームなどの動作チェック

月1回程度、主要ページのリンク確認、画像表示確認、問い合わせフォームの送信テストを実施する必要があります。

特にビジネスに直結するフォーム機能は実際にテスト送信を行うことが重要でしょう。スマートフォンでの表示確認とページ読み込み速度のチェックも欠かせません。

アクセスとエラーログの確認

サーバログを定期的に分析し、異常なアクセスパターンや技術的問題を早期発見することが理想ですが、ログ分析による異常検知やリアルタイム対処は専門的な知識を要するため、一般的な運用担当者には困難な作業といえます。

そのため、UptimeRobot などの外部監視サービスを利用し、基本的な監視体制を手軽に構築するとよいでしょう。

自分で保守するなら知っておきたい!よくあるトラブルと対処法

WordPress 保守を自社で行う場合、よくあるトラブルと対処法を事前に把握しておくことで、冷静に対応できるでしょう。

アップデートしたら不具合が起きた

画面が真っ白になったりエラーが表示された場合、まずバックアップから復元を検討する必要があります。

プラグインの競合が原因と疑われる場合は、すべてのプラグインを一度無効化してから、一つずつ有効化して問題の原因を特定することが効果的です。管理画面にアクセスできる場合は、プラグイン一覧から順次無効化を行います。管理画面にアクセスできない状況では、FTPでサイトにログインし、「wp-content/plugins」フォルダーを「plugins_old」などに名前変更することで、全プラグインを一括無効化できます。

テーマの問題が疑われる場合は、デフォルトテーマに切り替えて動作確認を行いましょう。管理画面からテーマ変更が可能であれば、WordPress 標準の「Twenty Twenty-Four」などのデフォルトテーマを有効化します。管理画面にアクセスできない場合は、FTP で「wp-content/themes/」フォルダーにアクセスし、現在有効なテーマのフォルダー名を変更することで、自動的にデフォルトテーマに切り替わります。

このような段階的なアプローチにより、管理画面の利用可否に関わらず、システム的に問題の原因を絞り込むことができます。

参考:WordPress の一般的なエラー – サポートフォーラム

バックアップを取れてなかった

現在の状態を即座に保存し、サーバ会社の自動バックアップ、開発環境のデータ、Google Cache など利用可能な復旧方法を総動員して調査いたします。

完全復旧が困難な場合は、残データから可能な限り復元し、今後の予防策として自動バックアップシステムを必ず導入する必要があります。

問い合わせフォームが動かない

フォームプラグインの設定確認、メールアドレスの記載ミスチェック、サーバのメール送信機能テストを順次実施しましょう。

WordPress サイトから送信されるメールが迷惑メールフォルダに振り分けられる、または届かない問題が発生することがあります。ただし、迷惑メールフィルターは受信側のメールサーバで動作するため、ウェブサイト側から直接制御することはできません。

メールが届いていない場合は、まずウェブサーバの送信ログを確認しましょう。ログでメール送信が正常に記録されていれば、問題は受信側にあることが分かります。この場合、受信者に迷惑メールフォルダの確認を依頼するか、送信元ドメインを受信許可リストに追加してもらう必要があります。

スパム判定されるリスクを軽減したい場合は、WordPress の標準メール送信機能ではなく、SMTP サーバを経由した送信に変更することが効果的です。SMTP 設定用のプラグインを利用することで、より信頼性の高いメール配信が可能になり、迷惑メール判定を受ける確率を下げることができます。送信側でできる対策はこのような技術的改善に限られるため、根本的な解決には受信側の協力も必要になることを理解しておきましょう。

また、SSL証明書の問題も確認対象といえるでしょう。解決が困難な場合は、一時的に別のフォームサービスを利用して機会損失を防ぐことが重要になります。

怪しいアクセスが増えた

アクセスログから攻撃元IPアドレスを特定してブロック設定を行うことは理想的な対策ですが、生のサーバログを解析して異常なアクセスパターンを判断するには専門的な知識が必要で、一般的な運用担当者には困難な作業といえます。

専門的なログ解析が困難な場合は、UptimeRobot をはじめとする外部監視サービスの活用も選択肢の一つとして検討できます。こうしたサービスでは、サイトの稼働状況を監視し、異常を検知した際にメール通知などで知らせてくれるため、専門知識がなくても基本的な監視体制を整えることが可能です。

また、多くのセキュリティプラグインには、既知の悪質IPアドレスを自動でブロックする機能や、異常なアクセス頻度を検知して自動ブロックする機能が搭載されています。手動でのログ解析に頼らずとも、こうした自動化されたセキュリティ機能を組み合わせることで、実用的な防御体制を構築できるでしょう。

ブルートフォース攻撃の場合はログイン制限を強化し、管理者パスワードを即座に変更する必要があります。DDoS 攻撃の疑いがあれば、まずサーバ会社に相談しましょう。攻撃を防ぐには、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)の導入が効果的です。WAF は不正なアクセスを自動で見つけてブロックしてくれるセキュリティツールです。

また、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)も役立ちます。CDN は世界各地にサーバを置いて利用者の近くからサイトのデータを配信するサービスで、大量のアクセスが来ても元のサーバへの負担を軽くでき、サイトがダウンしにくくなります。ただし、CDN 単体では攻撃そのものを止めることはできません。

そのため、WAF による攻撃ブロック機能と CDN によるアクセス負荷分散機能を組み合わせることで、より安全なサイト運営が可能になります。

WordPress 保守を外注すべきかの判断基準

WordPress 保守の外注を検討する際は、複数の要素を総合的に判断する必要があります。

担当者のスキルと対応可能な工数は十分か?

WordPress 保守にはWordPress、HTML/CSS、PHP、MySQL、サーバ管理、セキュリティ対策などの幅広い知識が必要でしょう。

定期保守に週3〜5時間、緊急時対応に随時対応できる時間的余裕があるか評価する必要があります。技術スキル習得には相当な時間が必要で、中途半端な知識での対応はリスクが高いといえるでしょう。

サイトの重要性やリスク許容度は?

企業サイトや EC サイトなど、ビジネスに直結するサイトでは障害による影響が甚大になるため外注が推奨されます。

1日の停止で数十万円の機会損失が発生する可能性がある場合、月数万円の保守費用は見合う投資といえるでしょう。社内向けの情報共有サイトなど影響が限定的なサイトでは自社対応も可能になります。

トラブル発生時の迅速な対応体制が整っているか?

平日営業時間外や休日のトラブルにも24時間以内に対応できる体制があるか確認する必要があります。

ECサイトなど売上に直接影響するサイトでは迅速な対応体制は必須でしょう。社内に複数の専門担当者がいる場合は自社対応も現実的ですが、少人数の場合は外注が安全といえるでしょう。

保守にかけられる予算は確保できているか?

自社対応では担当者の人件費、研修費用、ツール利用料を、外注では月額1〜15万円程度の保守費用を比較検討いたします。

予算制約がある場合は、基本保守は自社で行い、重要作業のみ外注する段階的アプローチも検討できるでしょう。長期的にはコストパフォーマンスも考慮する必要があります。

まとめ

WordPress の保守業務は、技術的な知識に加えて継続的な対応が求められる、非常に重要なタスクです。自社で対応すべきか、あるいは外部に委託すべきかを判断するには、担当者のスキルや対応可能な工数、サイトの役割、緊急時の対応体制、そして予算など、複数の要素を総合的に検討する必要があります。

特に企業のコーポレートサイトやECサイトのように、ビジネスに直結するサイトでは、障害発生時の機会損失が大きいため、専門業者への外注が現実的かつリスクを抑える手段といえるでしょう。一方で、影響範囲の限られたサイトであれば、まずは自社で基本的な保守作業に取り組み、スキルを高めていくという選択肢もあります。

いずれの場合も、現状を正しく把握し、必要なリスク対策を講じたうえで、自社にとって最適な保守体制を構築することが重要です。運用負荷の軽減や万が一のトラブル対応に不安がある場合は、WordPress に特化した保守・サポートを提供するデジタルキューブへの相談をご検討ください。専門チームが継続的な監視・障害対応・アップデート管理などを一括で支援し、安心・安全なサイト運用をサポートします。

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