Yoast SEO が重いときの対処法|速度改善と SEO 効果を両立する実践ガイド

Yoast SEO が重いときの対処法|速度改善と SEO 効果を両立する実践ガイド

Yoast SEO を導入したら「サイトが重くなった」「表示速度が遅くなった」という経験はありませんか? 多くの Web 担当者が直面するこの問題は、適切な設定により大幅に改善できます。

本記事では、WordPress 専業15年以上の実績を持つデジタルキューブの知見を基に、Yoast SEO が重くなる原因から具体的な軽量化設定まで、SEO 効果を維持しながらサイト速度を向上させる実践的な方法を解説します。

Yoast SEO が重くなる3つの主な原因

Yoast SEO がサイトを重くする根本的な原因を理解することで、適切な対策を立てることができます。主な原因は以下の3つです。

①多機能すぎることによるリソース消費

Yoast SEO は非常に多機能なプラグインで、SEO 分析、コンテンツ最適化、ソーシャルメディア連携、パンくずリスト、XML サイトマップ生成など、多くの機能を同時に実行します。

主要機能とリソース消費

機能名処理内容
リアルタイム SEO 分析ページ編集時に文章を解析
可読性チェック文章の読みやすさを常時監視
ソーシャルメディア最適化OGP タグの自動生成
内部リンク提案関連記事の自動検出
スキーママークアップ構造化データの自動出力

これらの機能が同時に動作することで、サーバーの CPU やメモリを大量に消費し、サイト全体の動作が重くなります。特に記事数が多いサイトや、同時アクセス数が多いサイトでは、その影響が顕著に現れます。

中小企業のサイトでは、すべての機能を使用する必要がない場合も多く、不要な機能を無効化することで大幅な軽量化が可能です。

②データベースへの負荷とクエリ処理

Yoast SEO バージョン14.0以降では「Indexables」機能により、従来の複数の個別データベースリクエストから、1回のシンプルなデータベースリクエストで処理できるよう大幅に改善されています。

Yoast SEO バージョン14.0以降のデータベース処理の特徴

当社の顧客サポート事例での実際の問題

デジタルキューブでは、Amimoto 顧客サイトにおいて「別のSEO プラグインの独自テーブルによるレコード数が膨大で、これらのテーブルへのクエリ処理が遅延を引き起こしている」という実際の調査結果を経験しています。投稿に付随するメタデータ(wp_postmeta)とSEOプラグインデータが原因でパフォーマンス問題が発生するケースは、長期間運用されているサイトで発生する可能性があります。

専用テーブルの作成によりデータベースサイズは増加しますが、最適化されたクエリ処理により、従来より効率的な動作を実現しています。

③他のプラグインとの競合・干渉問題

Yoast SEO は多くの WordPress 機能を拡張するため、他のプラグインとの競合が発生しやすく、予期しない動作の重さを招くことがあります。

よくある競合パターン

競合プラグインの種類問題の内容影響
キャッシュプラグイン設定の重複、処理の衝突速度改善効果の相殺
他の SEO プラグイン同じ機能の重複実行CPU 使用率の増加
セキュリティプラグインスキャン対象の増加メモリ使用量の増加
バックアッププラグインデータベースサイズの増大バックアップ時間の延長

特に複数の SEO 関連プラグインを同時に使用している場合、同じ処理が重複して実行され、サーバーリソースの無駄遣いとなります。

Yoast SEO の重さを診断する3ステップ

現在のサイト状況を正確に把握し、改善の優先度を決定するための診断方法を3ステップで解説します。

ステップ①:速度測定ツールで現状を把握する

まずは客観的なデータでサイトの現状を確認しましょう。以下のツールを使用して、正確な速度測定が行えます。

推奨測定ツール特徴確認項目
Google PageSpeed Insights公式ツール、Core Web Vitals 測定パフォーマンススコア、改善提案
GTmetrix詳細な分析レポート読み込み時間、最適化項目
Pingdomシンプルで使いやすい地域別速度、履歴管理

サイト速度の測定には、Google PageSpeed Insights を使用することを推奨します。Google が提供する公式ツールであり、Core Web Vitals の測定が可能なためです。

PageSpeed Insights スコアの正しい理解

測定時の注意点

スコアの向上が必ずしも検索順位の向上を意味するものではありません。PageSpeed Insights の点数が低い場合にマイナス評価になる可能性があるため、50点未満の場合は対策を検討することをお勧めします。

また、パフォーマンス測定ツールは、ネットワークやサーバー・クライアントの負荷に応じて、テストの度に結果が変動するため、複数回測定を行い、平均値を参考にすることが重要です。

ステップ②:Yoast SEO が原因かどうかを特定する

Yoast SEO が速度低下の原因かどうかを正確に特定するため、段階的なアプローチで調査を進めます。

原因特定の手順

  1. プラグインの一時無効化テスト
    • Yoast SEO のみを無効化
    • 速度測定を実施
    • 改善効果を確認
  2. Query Monitor プラグインでの詳細分析
    • データベースクエリの実行時間を確認
    • メモリ使用量の詳細を把握
    • 重い処理を特定
  3. サーバーログの確認
    • エラーログをチェック
    • リソース使用状況を確認
    • 他のプラグインとの競合を調査

この3段階の診断プロセスにより、Yoast SEO がサイト速度に与える具体的な影響度を正確に把握できます。

ステップ③:改善目標値を設定する

診断結果に基づいて、現実的な改善目標を設定します。

目標設定の基準

現在のページ読み込み時間改善目標期待効果
5秒以上3秒以下ユーザー体験の大幅改善
3~5秒2秒以下離脱率の改善
2~3秒1.5秒以下コンバージョン率向上

目標設定時は、サイトの規模と複雑さ、使用中の他のプラグイン、サーバー環境の制約、予算と作業時間の限界も考慮してください。

Yoast SEO を軽量化する設定3ステップ

Yoast SEO の機能を最適化し、SEO 効果を維持しながら動作を軽くする具体的な設定方法を解説します。

ステップ①不要な機能を無効化する(推奨設定一覧)

Yoast SEO には多くの機能が搭載されていますが、サイトの用途によっては不要な機能もあります。以下の機能について、ご自身のサイトで使用していない場合は無効化を検討してください。

機能設定で無効化すべき項目

Search Appearance での軽量化設定

ステップ②データベース最適化で動作を軽くする

Yoast SEO バージョン14.0以降では Indexables 機能により大幅に最適化されていますが、WordPress サイト全体のデータベース最適化と Yoast SEO 専用の最適化を組み合わせることで、サイト全体の処理速度向上が期待できます。

データベース最適化の手順

1. WordPress 全体のデータベース最適化

WordPress サイト全体の動作を軽くするための基本的な最適化です。これらの作業は Yoast SEO の動作に直接影響するものではありませんが、サイト全体のパフォーマンス向上により、間接的に Yoast SEO の動作環境も改善されます。

php

define(‘WP_POST_REVISIONS’, 3);

2. Yoast SEO 専用テーブルの最適化

Yoast SEO の動作に直接関わる最適化作業です。

推奨最適化プラグイン

ステップ③キャッシュプラグインとの適切な連携設定

Yoast SEO とキャッシュプラグインを適切に連携させることで、SEO 機能を維持しながら大幅な速度向上を実現できます。

主要キャッシュプラグインとの連携

プラグイン名連携のポイント
WP RocketYoast SEO 用最適化設定を活用
W3 Total Cacheオブジェクトキャッシュで SEO データを効率化
LiteSpeed CacheESI 機能で SEO 部分の動的生成を最適化

連携設定のポイント

それでも重い場合は軽量プラグインに移行する

軽量化を実施しても十分な改善が得られない場合は、代替 SEO プラグインへの移行を検討しましょう。

プラグイン名主な特徴
RankMath多機能でありながら軽量、移行ツール提供
The SEO Framework非常に軽量、シンプルな設定
SEOPressバランスの取れた機能と軽量性
Slim SEO最小限の機能で最大限の軽量化

移行判断の基準

移行は慎重に計画し、以下の手順を必ず実施してください。

  1. テスト環境での動作検証
  2. 移行前後の速度測定による効果確認
  3. SEO データのバックアップ取得
  4. 段階的な移行計画の策定

まとめ

Yoast SEO の重さ問題について、原因から具体的な対策まで解説してきました。「サイトが重くなった」「表示速度が遅くなった」という問題は、適切な設定により改善できる場合があります。

重要なポイント

  1. 3ステップの診断実施:速度測定、原因特定、目標設定を確実に実行
  2. 段階的な最適化:不要な機能の無効化、データベース最適化、キャッシュプラグインとの連携
  3. 現実的な判断:軽量化設定で効果が得られない場合は代替プラグインの検討

デジタルキューブでは、15年以上の WordPress 専業実績により培った技術力とノウハウで、お客様のサイトパフォーマンス最適化をサポートしています。AWS 環境での高度な最適化から、日常的な運用サポートまで、企業様の技術的パートナーとして貢献いたします。


WordPress の速度改善でお困りの企業様へ

Yoast SEO をはじめとする WordPress の速度最適化でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

LabWorks の WordPress パフォーマンス最適化サポートの特徴

企業様の技術的パートナーとして、快適で効果的な WordPress 運用をサポートいたします。

⇒ LabWorks お問い合わせ

参考情報

旭化成日本協創投資
LegalOn Technologies横浜市立大学附属病院 次世代臨床研究センター
Internet Society有限会社ワグ
リクルートダイレクトスカウトSmartHR
CanCamエピックベース株式会社
freeeJOLLY GOOD!
SHARPmikihouse
株式会社デジタルガレージINFOBAHN GROUP
旭化成日本協創投資
LegalOn Technologies横浜市立大学附属病院 次世代臨床研究センター
Internet Society有限会社ワグ
リクルートダイレクトスカウトSmartHR
CanCamエピックベース株式会社
freeeJOLLY GOOD!
SHARPmikihouse
株式会社デジタルガレージINFOBAHN GROUP
Contact

当社へご興味をお持ちいただきありがとうございます。
「こんなことやってみたい!」と、ぜひ気軽にご相談ください。
担当者よりご連絡差し上げます。