
WordPress を最新バージョンにアップデートしたら、突然サイトが正常に動作しなくなった経験はありませんか?プラグインやテーマの互換性問題、レイアウト崩れ、管理画面へのアクセス不能など、アップデート後のトラブルは企業サイト運営者にとって深刻な問題です。
このような状況では、一時的にバージョンダウンして安定した状態に戻すことが必要になります。しかし、古いバージョンでの運用には重大なセキュリティリスクが伴います。
この記事では、WordPress のバージョンダウン方法を詳しく解説するとともに、セキュリティリスクを最小限に抑える対策、そして最終的に最新バージョンで安定運用を実現するための具体的なアプローチをご提案します。緊急時の対処法から長期的な運用戦略(予防管理含む)まで、企業サイト運営に必要な知識を体系的に学べます。
目次
バージョンダウンが不要になる、根本的な解決策
この記事ではバージョンダウンの方法を詳しく解説しますが、最も理想的なのは、そもそもバージョンダウンが必要にならない運用体制です。
- 本番適用前のテスト環境での動作確認
- Git 管理による安全な切り戻し体制
- 専門家による互換性チェック
このような体制があれば、アップデート後のトラブルを未然に防げます。
※記事末尾で詳しく解説します。
WordPress をバージョンダウンする主な理由
企業の WordPress サイト運営において、バージョンダウンが必要になる場面は決して珍しくありません。主に以下のような状況で検討されます。
プラグインやテーマが最新バージョンに対応していない
WordPress が最新バージョンにアップデートされると、古いプラグインやテーマが動作しなくなることがあります。特に有料テーマや開発が止まっているプラグインで発生しやすく、サイトにエラーが表示されたり、重要な機能が使えなくなったりします。
ビジネスサイトにとって不可欠な予約システムや決済機能、SEO 対策プラグインなどが突然使用不可になると、売上に直結する深刻な問題となります。このような場合、緊急措置として一時的なバージョンダウンが必要になります。
レイアウト崩れや表示不具合が発生した
最新バージョンで CSS や JavaScript の仕様が変更されることで、サイトのレイアウトが崩れるケースもあります。特にカスタマイズを多く施したサイトで起こりやすく、メニューが表示されない、画像の配置がおかしい、スマートフォン表示が崩れるなどの症状が現れます。
企業サイトの場合、ブランドイメージや顧客体験に直結するため、表示不具合は早急な対処が求められます。
管理画面や投稿画面が正常に使えなくなった
WordPress 更新後に管理画面が真っ白になったり、投稿画面でエラーが出て記事を編集できなくなったりする場合があります。特にブロックエディターとの相性問題は多く報告されており、日常の更新作業に支障をきたすため、緊急的なバージョンダウンが必要になります。
自動更新による予期せぬバージョンアップ
WordPress の自動更新機能が勝手に動いて、気づいたらバージョンが上がっていることがあります。事前テストなしで本番環境が更新されるため、不具合が発生するリスクが高くなります。
特に深夜や休日に自動更新されると、トラブル対応が遅れてサイトが長時間停止してしまいます。自動更新は便利な機能ですが、ビジネス利用では無効化しておくのが基本です。もし予期せぬ更新で問題が発生したら、速やかにバージョンダウンして安定した状態に戻すことが重要です。
WordPress をバージョンダウンするリスク
バージョンダウンは緊急時の有効な対処法ですが、同時に重大なリスクも伴います。特にセキュリティ面でのリスクは深刻で、企業サイト運営者は十分に理解しておく必要があります。
セキュリティリスクの増大
古いバージョンの WordPress には、既に発見され修正済みの脆弱性が残っています。WordPress 公式のセキュリティチームが対応済みの脆弱性情報は公開されているため、悪意のある攻撃者に狙われやすくなります。バージョンが古いほどリスクは高くなり、サイト改ざん、データベース侵入、マルウェア感染など、深刻な被害に遭う可能性があります。
企業サイトが攻撃を受けると、顧客情報の漏洩や業務システムの停止など、事業継続に関わる重大な損失を招く恐れがあります。バージョンダウン後は、WAF(Web Application Firewall)の導入やアクセス制限など、追加のセキュリティ対策が必須となります。また、定期的なマルウェアスキャンも実施して、異常がないかチェックすることが重要です。
運用コストの増加
最新バージョンなら自動で適用されるセキュリティパッチや機能改善が受けられないため、手動での対応が必要になります。セキュリティ監視の強化、定期的な脆弱性チェック、手動でのバックアップ作業など、運用業務が大幅に増加します。
また、古いバージョンに詳しいエンジニアの確保も課題となります。サポートコミュニティでも情報が少なくなるため、トラブル解決に時間がかかることも予想されます。長期的に見ると、バージョンアップに伴う一時的な修正コストより、継続的な運用コストの方が高くつく場合があります。
専門家による管理でリスクを最小化
バージョンダウン後のセキュリティリスクを抱えながら運用するのではなく、テスト環境で事前に互換性を確認してから本番適用する体制なら、古いバージョンでの運用を避けられます。
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WordPress をバージョンダウンする前に実施すべきこと
バージョンダウンを実行する前に、必ず以下の準備作業を行ってください。適切な準備により、作業の安全性と成功率が大幅に向上します。
必ずバックアップを取る
バージョンダウン作業で最も重要なのがバックアップです。データベース、WordPressファイル、アップロード画像など、サイトを構成するすべての要素を保存しておきましょう。
バックアッププラグインを使用するか、サーバーの機能を活用して完全なコピーを作成します。できれば複数の場所に保存して、万が一の際に確実に復旧できるようにしておくことが大切です。作業中にサイトが壊れても、バックアップがあれば元の状態に戻せます。逆にバックアップなしで作業すると、取り返しのつかない事態になる可能性があります。
現在の WordPress バージョンを確認する
管理画面の「概要」または「更新」ページで、現在使用している WordPress のバージョンを確認します。プラグインやテーマのバージョンも同時にメモしておきましょう。
これらの情報は、バージョンダウン後の動作確認や、将来的なアップデート計画を立てる際に必要になります。また、現在のバージョンで正常に動作していた機能をリストアップしておくと、バージョンダウン後の動作確認がスムーズに行えます。FTP でサーバーにアクセスして wp-includes/version.php ファイルを確認する方法もあります。
戻したいバージョンを明確にしておく
どのバージョンに戻すかを事前に決めておくことが重要です。問題が発生する直前のバージョンが基本ですが、使用しているプラグインやテーマが対応している最新のバージョンを選ぶのも一つの手です。
WordPress 公式サイトでバージョン履歴を確認して、セキュリティ面で問題がないかもチェックしましょう。あまりに古いバージョンに戻すと、新たな問題が発生する可能性があります。
また、古い WordPress バージョンでは新しい PHP バージョンと互換性がない場合があることにも注意が必要です。サーバーのPHP環境との互換性も事前に確認しておきましょう。戻したいバージョンのダウンロード URL も事前に確認しておくと、作業がスムーズに進みます。計画性のない作業は失敗の元となります。
WordPress を安全にバージョンダウンする方法
実際のバージョンダウン作業には、いくつかの方法があります。それぞれの特徴を理解して、環境や技術レベルに応じて適切な方法を選択しましょう。
方法①:プラグイン「WP Downgrade」を使う
最も簡単なバージョンダウン方法として、WP Downgrade プラグインの使用をおすすめします。このプラグインをインストールして有効化し、設定画面で戻したいバージョン番号を入力します。
設定画面の「WordPress Target Version」に例えば「5.8」と入力して保存します。その後、WordPress の通常の更新画面(ダッシュボード→更新)にアクセスすると、指定したバージョンへのダウングレードが実行できるようになります。作業時間は数分程度で、技術的な知識がなくても実行可能です。
なお、プラグインのインターフェースは時期により変更される可能性があるため、実際の画面表示に従って操作してください。また、プラグイン自体が最新バージョンで動作しない場合や、予期しないエラーが発生する可能性もあります。そのため、必ずバックアップを取ってから実行することが重要です。
方法②:プラグイン「Core Rollback」を使う
Core Rollback は WordPress.org 公式でも紹介されている信頼性の高いプラグインです。WordPress 本体のバージョンダウンに特化しており、シンプルなインターフェースで安全にロールバックが実行できます。WP Downgrade と同様の手順で、戻したいバージョンを選択して実行するだけで作業が完了します。
方法③:プラグイン「WP Rollback」を使う
WP Rollback は、プラグインやテーマのロールバックに特化したツールです。WordPress 本体だけでなく、個別のプラグインやテーマを以前のバージョンに戻したい場合に便利です。インストール後、対象のプラグインやテーマの管理画面から「Rollback」オプションを選択し、戻したいバージョンを選択するだけで作業が完了します。
方法④:手動で旧バージョンに戻す
FTP を使って手動でファイルを置き換える方法は、より確実ですが技術的な知識が必要です。まず WordPress 公式リリースアーカイブから目的のバージョンをダウンロードし、ZIPファイルを展開します。
現在のサーバー上の WordPress ファイルをバックアップしてから、wp-includes、wp-admin フォルダと WordPress ルートディレクトリの PHP ファイルを新しいバージョンのものに置き換えます。wp-config.php と wp-content フォルダは既存のものを残すことが重要です。
作業後にブラウザでサイトにアクセスし、データベース更新画面が表示されたら実行します。この方法は確実ですが時間がかかるため、緊急時以外はプラグインを使用することをおすすめします。
WordPress のバージョンダウン後にすべき対応
バージョンダウンが完了したら、再び同じ問題が発生しないよう、適切な設定と確認作業を行います。
自動更新を無効化する
バージョンダウン後に再び自動更新されては意味がないため、必ず無効化設定を行います。wp-config.php ファイルに「define(‘WP_AUTO_UPDATE_CORE’, false);」を追加するか、プラグインで自動更新を停止します。
管理画面の「更新」ページにアクセスして、更新通知が表示されないことを確認しましょう。プラグインやテーマの自動更新も同時に無効化しておくと安全です。ただし、自動更新を無効化すると、セキュリティアップデートも手動で適用する必要があるため、定期的なチェックが必要になります。
サイト全体の動作確認を行う
バージョンダウン後は、サイトのすべての機能をテストします。フロントページ、投稿ページ、固定ページ、お問い合わせフォーム、検索機能など、ユーザーが使う機能を一通りチェックしましょう。
管理画面でも記事投稿、画像アップロード、プラグイン設定などが正常に動作するか確認します。特にECサイトなら決済機能、会員サイトならログイン機能など、重要な機能は入念にテストする必要があります。
不具合を発見したら、プラグインの設定見直しやテーマの調整で解決できるか検討します。問題が多い場合は別のバージョンを試すことも考えましょう。
セキュリティ対策を強化する
古いバージョンでの運用ではセキュリティリスクが避けられないため、追加の対策が必要です。WAF(Web Application Firewall)の導入、管理画面への IP アクセス制限、ログイン試行回数の制限、定期的なマルウェアスキャンなどを実施しましょう。
特に管理画面のセキュリティ強化は重要で、二段階認証の導入や管理者ユーザー名の変更も効果的です。また、不要なプラグインやテーマは削除して、攻撃対象を減らすことも大切です。セキュリティプラグインを活用するのも手軽で効果的な方法です。
WordPress のバージョンダウンでよくある失敗と対策
バージョンダウン作業では、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。よくある問題とその対策を事前に把握しておきましょう。
サイトが真っ白になる
バージョンダウン後にサイトが真っ白になるのは、PHP エラーやプラグインの競合が原因です。まずはプラグインをすべて無効化して、サイトが表示されるか確認しましょう。表示されればプラグインが原因なので、ひとつずつ有効化して問題のあるプラグインを特定します。
プラグインを無効化してもダメなら、テーマを WordPress デフォルトテーマに変更してテストします。それでも解決しなければ、サーバーのエラーログを確認して PHP エラーの詳細をチェックしましょう。最終的にはバックアップからの復旧も考慮する必要があります。
管理画面にログインできなくなる
管理画面へのアクセスができなくなった場合、まずは URL が正しいか確認します。次に Cookie やキャッシュをクリアしてから再アクセスしてみましょう。それでもダメなら、FTPでサーバーにアクセスして wp-config.php ファイルに「define(‘WP_DEBUG’, true);」を追加してエラー内容を表示させます。
プラグインが原因の可能性もあるため、FTP でプラグインフォルダの名前を一時的に変更して無効化する方法も試してみましょう。データベースの接続情報が間違っている場合もあるため、wp-config.php の設定も確認します。
「データベースの更新が必要です」と表示されるが進まない
バージョンダウン時にデータベース構造の不整合が発生するパターンです。まずはデータベースのバックアップを取ってから、手動でデータベース更新を実行しましょう。
wp-admin/upgrade.php に直接アクセスするか、wp-config.php に「define(‘WP_ALLOW_REPAIR’, true);」を追加してデータベース修復機能を有効化します。この設定を有効にしたら、ブラウザで「http://yourdomain.com/wp-admin/maint/repair.php」にアクセスしてデータベース修復を実行できます。
ただし、WP_ALLOW_REPAIR を有効にすると、認証不要でデータベース修復画面にアクセスできるようになるため、重大なセキュリティリスクとなります。作業後は必ずこの設定を削除してください。削除を忘れると、第三者によるデータベース操作のリスクが残り続けます。作業後は必ず設定を削除してください。
それでも解決しない場合は、より古いバージョンのデータベース構造に戻すため、バックアップからデータベースを復元する必要があります。
プラグインやテーマがエラーを起こす
バージョンダウン後にプラグインやテーマが正常に動作しなくなるケースもあります。まずはエラーの詳細を確認して、どのプラグインやテーマが原因かを特定しましょう。問題のあるプラグインは一時的に無効化するか、古いバージョンのプラグインに戻します。
テーマの場合は、子テーマを使っているなら親テーマとの互換性をチェックしましょう。カスタムコードがエラーの原因なら、該当部分をコメントアウトして動作確認します。根本的な解決には、プラグインやテーマの開発者に問い合わせるか、代替手段を検討する必要があります。
実際の企業サイトでのトラブル事例
あるECサイトでは、休日に自動更新が実行されプラグインが動作停止しました。決済機能が使えなくなり、週末の売上が完全にストップする事態となりました。
このような事態を防ぐには…
- 自動更新の無効化(本記事で解説)
- 計画的なアップデート実施
- テスト環境での事前検証 ←これが最重要
LabWorks のサービスなら、テスト環境で問題を発見してからお客様と調整の上で本番適用するため、このような事態を防げます。
まとめ
WordPress のバージョンダウンは、プラグインやテーマの互換性問題、表示不具合などの緊急時に有効な対処法です。しかし、古いバージョンでの運用には深刻なセキュリティリスクが伴うため、あくまで短期的な措置として位置づけることが重要です。
緊急時は以下の手順で対処
バージョンダウンを実行する際は
- 必ずバックアップを取る
- WP Downgrade または手動でバージョンダウン
- 自動更新を無効化
- セキュリティ対策を強化
上記の手順を慎重に踏んで作業を進めましょう。
根本的な解決には体制づくりが必要
バージョンダウンは応急処置であり、長期的な解決策ではありません。根本的な解決には体制づくりが必要です。
理想的な運用体制
| 手順 | 概要 |
| 1. テスト環境で事前検証 | 問題を本番前に発見 |
| 2. 問題があれば対策検討 | 余裕を持った対応のため |
| 3. 安全確認後に本番適用 | リスクを最小化 |
| 4. Git管理で即座に切り戻し | 万一の保険 |
最も重要なのは、バージョンダウンによる一時的な安定化を図りながら、根本的な問題を解決して最新バージョンでの運用を目指すことです。プラグインやテーマの更新、カスタマイズの見直し、専門家による脆弱性試験やコードレビューなどを通じて、セキュアで安定したWordPressサイトの構築を実現しましょう。
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参考情報
- Release Archive – WordPress.org
https://wordpress.org/download/releases/
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